ドル円は高値更新

12日のニューヨーク市場では中国の良好な貿易関連指標やJPモルガンやウェルスファーゴの予想を上回る決算が好感されリスクオンの流れとなりました。
金利の上昇が金融機関の増益に貢献。米国の3月輸入物価指数も予想を上回った形です。
ドル円は112円台を目指しましたが、112円に観測される売りオーダーと、4月の米消費者態度指数速報値が予想を下回ったことから上値を抑えられた感じです。

好調な指標からのFOMCの動き予測

クラリダFOMC副議長はCNBCのインタビューで、FOMCメンバーは現状で金利をどちらの方向にも動かす必要がないと見ていることを明らかにしました。
FRBが先日公表したFOMC議事録ではリスク上昇で、大半のメンバーが年内の金利据え置きが正当化されると見ている事が再確認されました。
同時に一部メンバーはもし、経済成長が長期の潜在的水準を上回った場合は、年後半の利上げが適切だと主張し、数人のメンバーは経済動向次第で、利上げか利下げどちらの方向にもシフトする可能性があると言及するなど、今後の経済指標の結果が利上げもしくは利下げの可能性を大きく左右していきそうです。

イギリスの離脱延期も市場のリスク後退要因

EUはイギリスが求めていた離脱時期の2回目の延期を認め、新たな期限を10月31日に設定しました。
ところが、複数の高官や外交筋からは、延期はこれが最後にはならないかもしれないとの声もすでに聞こえてきています。
EU内では最長1年間の延期で話し合われましたが、フランスのマクロン大統領が反対認め、結局は10月末までの延期となりました。
EUないでもブレグジットを巡る不透明感に終止符を打ちたいところではあるのですが、合意なき離脱を望まない意見も多数あり、ドイツのメルケル首相は、秩序立ったブレグジットが好ましいとし、トゥスクEU大統領は、11日に最善の道はブレグジットの撤回だとの見方を示しています。

10月31日以降三度の延期にはEU加盟27カ国の全会一致が必要となり、それ以降の更なる延期もできるかどうかは未定です。
10月31日にイギリスはEUとの話し合いで決めた離脱案に合意するか、ブレグジットを撤回するか、合意なしで離脱するか決定しなければいけません。

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