FOMCを控えユーロは調整

FOMCが開催

本日から開催されるFOMCでは、今回は政策変更は見込まれていませんが、市場は枠組み見直しに注目しているようです。
これまでのインフレ目標2%を、平均2%に変更することで、許容範囲を拡大させ、FRBは低金利の長期化を強調して来ると見られています。
先日のパウエルFRB議長の講演に引き続き、少なくともそれに向けたヒントは示されるものと期待されているようです。

ドル円は目先の8月安値の105.10/20円水準がサポートとして意識されそうです。
心理的節目の105円を試す気配が見られる中で、明日のFOMCの結果にどのような反応を見せるか警戒されています。

ユーロはNY時間に入って売りに押され、ユーロドルは1.1840ドル付近、ユーロ円は124円台に一時下落しました。
特段のユーロ売りの材料は見当たりませんが、今日から始まるFOMCでは、FRBが低金利の長期化を目指した枠組み見直しに向けて何らかのヒントを出して来るのではとの期待が強まっています。

しかし一方で、それ自体はかなり織り込んでいる部分もあり、ドルショートもかなり積み上がっていることから、イベントをきっかけにポジションの巻き戻しが出るのではとの憶測も広がっています。
ドルショートも積み上がりと伴にユーロロングも最高水準に積み上がっている中で、明日のFOMCの結果を前にしたポジション調整が出ているのかもしれません。

ただ、ユーロ高への期待は根強く、FRBが低金利の長期化を強調する中でドル買いへの回帰は期待しづらい状況ではあります。
一方、英国の合意なき離脱への警戒感が高まっており、対ポンドでのユーロ買いも期待されています。

ポンドドルは一時1.29ドル台まで上昇したものの、NY時間にかけて戻り売りが優勢となり、1.28ドル台半ばまで下落する場面も見られました。
英下院はきのうの深夜に、EUと合意した離脱協定の一部変更を可能にする国内市場法案について審議開始は可決しました。
ただ、EUとの合意はすでに国際法となっており、それに違反する可能性をジョンソン政権も認めています。
EUも強く反発しており、与党内からも難色が示される中で、今後の議会での審議は紛糾しそうです。

法案については、何らかの修正が加えられるものと見られてますが、現段階では成立まで漕ぎ着けるかは、かなり未知数と見られます。
そのような中で今後もEUとの貿易交渉は続くが、こちらもこれまで以上に難航しそうです。
根強いドル安期待からポンドドルは買戻しの流れを継続しているものの、年末にかけてポンド安を期待する声は多くあります。