FOMCを控え静かな動き

今週18日から19日にかけて開催されるFOMCを受け、相場のボラティリティが低くなっています。
トランプ大統領や他の米高官からの利下げ要求が高まり、金融市場が複数回の利下げを織り込みつつある中、FOMCが緩和バイアスを示せば、株高、米長期金利低下でドル安となり、様子見継続なら株安、金利上昇でドル高というトランプ政権のもっとも嫌悪する流れとなるかもしれません。

FRBのパウエル議長が緩和準備が整っていることを示唆しているにもかかわらず、金融政策に対するトランプ大統領の横槍はどんどんエスカレートしていっています。
トランプ大統領は10日に、中国が人民元の切り下げで米中貿易戦争に挑んでいるなか、FRBが利下げしないのは破壊的だと言い、11日には量的引き締めも馬鹿げているとツイートしました。

市場関係者の中では、今回FOMCで7月、9月に利下げするニュアンスが示されれば、株価は上昇、長期金利は低下してドルが売られやすくなる。一方様子見姿勢を堅持した場合は、利下げを織り込んで低下してきた米長期金利が反発し、ドルショートが巻き戻されるとの予想も見られます。

市場では他にも、FRBの信認低下による長期的なドル安リスクも意識され始めています。
FRBは政治からの独立性を維持してきていたイメージでしたが、株安を阻止したい政治の圧力に屈した年初の鳩派の流れや、過去のデータに照らし合わせて政策を決めるという姿勢を主張しているにもかかわらず、データが出揃う前に利下げ準備万端という姿勢のパウエル議長の発言をみるにつけ、FED(連邦準備制度)も日銀と同列に並んできたという印象を受けている投資家もいます。
信認が低下すれば、グローバルな投資家もいずれ米国に投資するインセンティブを失うため、結局はドル安となってしまうかもしれません。

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