久々の指標でのドルの乱高下

5日の為替市場では、5月のADP全米雇用報告が2.7万人増と予想の18万人を大幅に下回ったことから米長期金利の急低下とともにドル売りが優勢となりました。
指標発表でドルがここまで動くのは久しぶりでしたが、その後ニューヨーク市場開始とともに、米国株が大幅に上昇して始まるとショートカバーが先行し、ナバロ米大統領補佐官が、対メキシコ関税発動は必要ない可能性との見解を示したことで、メキシコとの貿易摩擦への懸念が後退したこともあって再びドル買いの流れとなりました。
5月のISM非製造業指数が予想を上回ったことも相場の下支えとなった感じです。

ベージュブックでは経済活動の拡大報告

FRBが公表したベージュブックで、全米12地区ほぼ全てが経済活動の拡大を報告しました。
不透明感の中、一部地区は製造業の鈍化を報告し、消費は全般的にプラスですが、抑制されていると報告。
雇用は依然不足しており、貿易の緊張で製造業や小売業に打撃を与えたとも報告されています。
この結果を受け、FOMCでの利下げの根拠が弱まっているのもドル上昇の要因となっています。

ドルの乱高下の裏でユーロも不安定

欧州委員会は5日、拡大するイタリアの債券についてEUの財政規則違反と判断し、是正手続きを勧告しました。
手続きに着手すれば対立の長期化や金融制裁、財政監視の厳格化につながる恐れもあります。
EU加盟国が2週間以内に欧州委員会の判断を支持すれば、是正手続き開始の勧告が可能となります。
EU側は、イタリアが姿勢を変えれば手続きを中止する可能性があるとも言っています。
IMFは、イタリアの債券について、世界貿易摩擦やイギリスの合意なき離脱とともに、ユーロ圏経済に対する主要リスクであると認識しているとEU関係者が明らかにしています。
IMFは報告書を来週にも発表する見通しです。

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