ECBは追加の金融緩和へ

ECBは4日の定例理事会で政策金利を予想通り据え置く一方、新型コロナウイルスのパンデミックへの緊急対策として打ち出した債券購入プログラムを拡充しました。
パンデミックにより、戦後最大のリセッションに陥りかねない域内経済を支援する目的です。

パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ規模を6000億ユーロ増額し1兆3500億ユーロとしたほか、買い入れ期間を当初計画より6カ月伸ばし2021年6月末までとしました。

またPEPPの下で満期を迎えた債券の再投資を少なくとも22年末まで実施するとした。
ラガルド総裁は理事会後の会見で「ユーロ圏経済は前代未聞の縮小に見舞われている。新型コロナ感染が拡大し、抑制策が取られた結果、経済活動は急激に減速した」とした上で「経済の縮小や回復の程度は、感染封じ込めの期間や効果、所得・雇用支援策の成功、さらには供給能力や域内需要への影響がどの程度長引くかによって決定的に左右される」という見方を示しました。

これによりユーロ円は大幅高。
20時30分前に一時121.85円と本日安値を付けたものの、ECBが新型コロナ対策の緊急債券購入策を拡充したことでユーロ全面高の展開となり、24時過ぎに一時123.92円と昨年5月7日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新しました。