EUサミット4日目

新型コロナ復興基金案を巡り、EU首脳は週末の臨時会議を延長し、4日目に突入しました。

各国政府関係者の見通し通りに協議は難航し、オランダ等に配慮する形で交付金の減額と貸し付けの増額が提案されましたが、合意に至らないまま2日の日程は延長となっています。
日曜にも協議は続いたものの結論は出ず、おそらく本日の段階で合意できるのか、あるいはEUサミット自体を開催し直してそれまでに詰めるのか、どうも当初の楽観、悲観とも違う状況となっていますが、ここまで延長するということは何とか合意に持ち込みたいという表れでもあります。

そもそもEU復興基金は、総額7500億ユーロのうち返済義務のない交付金が4500億ユーロ、返済義務のある低利融資が3000億ユーロで検討されてきました。
しかしオランダをはじめ財政規律に厳しい4か国(他にオーストリア、デンマーク、スウェーデン)とそれに同調するフィンランドは当初案に反対、そこで交付金を500億減額し、融資を500億増やすという妥協案が検討されましたが、それも拒否し対案として更に500億の変更(交付金3500億、融資4000億)ならば同意可能という流れで日曜を終えています。
ドイツなどは3500億の交付金では効果が薄いという見方をしていますし、最大の交付金を得るイタリアも当然のように同調していますが、通貨や金融政策は統一されていても財政は各国ばらばらであるEUの国による考え方の違いが前面に出てきています。

現時点で予想されるのは交付金4000億なら先送り、3500億なら本日中に可決という間を刻んでくるのかどうかといったところになりそうです。
ユーロの動きも決まれば若干上昇、延期ならばある程度の反落を見るという動きが予想されます