FRBの米経済政策に行き詰まり

パウエルFRB議長は23日の証言で、「経済回復は程遠い」と繰り返し、財政支援の必要性を訴えました。
雇用統計よりも雇用状況を正確にあらわしているとされる新規失業保険申請件数も思ったように減少せず、労働市場回復も失速しつつあり懸念材料となっています。
議長はFRBが「考えうる全ての手段を尽くした」としたことからFRBがすでに手段を使い果たしており、万が一、景気がさらに悪化した場合「手段がない」との警戒感も広がりました。
議長はまた、22日の証言でFRBは中小企業に対し融資ができるが、企業が求めている助成金を支給することができないと指摘、FRBにはまだ手段があるが、金融刺激策の効果には限界があるとの考えから財政支援を求めています。

ドル円の買い戻しが活発化

欧米で新型コロナウイルス感染拡大の動きが再び見られており、特に欧州では感染第2波の拡大が加速しています。
日米に遅れて表れたイメージですが、これらの動きが市場に世界経済への不安感を高めており、為替市場はリスク回避のドル買いが見られています。
準備通貨としてのドルの見直し買いが出ているのかもしれません。
一向に米追加経済対策がまとまらないことも、不安感を拡大させているようです。

ドル円はロンドン時間の朝方に105.20円付近まで値を落としましたな、その水準では買いオーダーも活発に入るようで、105円台はサポートされています。
FRBがゼロ金利政策を実施する中で、日米の短期金利差がほぼなくなり、ドルのヘッジコストが低下しています。
下値では、日本の機関投資家による為替ヘッジ付きドル建て資産への投資に絡んだオーダーが入っているのかもしれません。

ただ一方で、リスク回避の円買いの動きもあることから、上値を積極的に追って行く動きにも考え辛いです。
本日の21日線が105.65円付近に来ているが、その付近での上値抵抗もありそうです。
朝方に米新規失業保険申請件数が発表にされましたが、予想は下回っていたものの、雇用の回復の鈍さを示しており、FRBの低金利長期化姿勢を正当化しているようです。