FOMCは金利据え置き

FRBは28─29日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くことを全会一致で決定しました。

経済が足元の状況を乗り切り、最大雇用と物価安定の目標達成に向け軌道にのったと自信をもてるようになるまで、この目標レンジを維持すると予測されています。

金融政策のスタンスを調整する今後の時期と規模を判断するにあたって、FOMCは雇用の最大化と物価上昇率2%という目標との比較で経済情勢の実績と見通しを評価していくと共に、労働市場の状況に関する指標や、インフレ圧力・インフレ予想の指標、金融動向や国際情勢を含めた幅広い情報を考慮して判断していく方向です。

家計と企業の信用の流れを支えるために、FRBは、国債、住宅および商業不動産ローン担保証券の購入を円滑な市場機能を支えるために必要なだけ続け、そうすることで、より広範な金融情勢への政策の効果的な伝搬を促進する。加えて、公開市場デスクは、大規模なオーバーナイトおよびタームのレポ操作の提供を続ける。との声明内容です。

量的緩和によって米国債の保有量は3~4月で1.4兆ドルも増え、FRBのバランスシートは4.1兆ドルから6.6兆ドルまで膨らみました。
ダウ工業株30種平均は2月から3月にかけて1万ドルも下落したが、足元では底値から5千ドル強も回復。巨額の資金供給策でひとまず市場の底割れを回避しています。

4~6月期の経済成長率は年率換算でマイナス40%もの落ち込みが予想され、失業率も10%超と戦後最悪の水準に達しそうです。
米政権は3兆ドル弱の新型コロナ対策を決定したものの、財政・金融政策ともフル稼働が求められており、新たに4500億ドルの政府資金を得たFRBは、社債やCPの購入などに2兆ドルの追加資金を充てる余力があります。
市場動向を見極めて追加策を発動すると考えられています。