株高もドル円の動きは鈍い

28日の為替市場でのドル円は105円台での下に往って来いの展開が見られました。
米株式市場は大幅高となるなどリスク選好の雰囲気が強まっている中で、為替市場はリスク選好のドル売りが優勢となっているものの、一方で円売りの動きもあり、ドル円は105円台に収まっています。

市場の雰囲気が改善する買い材料は見当たりませんが、先週のナスダックは4週間ぶりに週足で陽線を描きました。
金曜日のダウ平均も序盤は軟調に始まったものの、引けにかけて上げ幅を広げる展開で終わっています。
市場は、今月に入ってからの下げはあくまで調整と見ている向きが多く、月末も接近しており、そろそろ調整も一段落するのではとの期待が出ているのかもしれません。

ドル円は上値の重い展開が続き、心理的節目の105円は維持しているものの、米大統領選や英EU離脱など年末にかけて不安要素も多い中で、ドル円には弱気な見方も多く、上値では戻り売りを推奨する声も聞かれます。

ユーロドルは買い戻しの動き

28日にはラガルドECB総裁の議会証言が行われ、「ユーロ高はインフレ率を下押しする見込み。ECBはユーロの動きを極めて注意深く監視している」などと述べましたが、これまでと同様の発言ということもあり、ユーロ相場の反応は限定的となっています。

ラガルド総裁は「必要に応じ全ての手段を調整する用意がある」と、引き続き、量的緩和(QE)拡大の可能性を示唆した発言を繰り返しています。
ECBは年内にパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を拡大して来るとの見方が、市場でも有力視されている状況です。
しかし、この見方に関して一部からは、市場金利とボラティリティが低く、スプレッドがタイトな限り、1.35兆ユーロのPEPPを強化するインセンティブはあまりないとの指摘も出ているようです。