ポンド買いの流れ
英国が先週のEUとの交渉で、漁業に関する暫定的な譲歩案を提示したと伝わり、交渉進展への期待感が高まっています。
ジョンソン首相はEUと合意した離脱協定の一部変更を可能にする国内市場法案の成立を目指していますが、歩み寄りの兆しも見せており、ポンド買いに繋がったようです。
この日発表の8月の英インフレ統計が予想を上回ったことも好感されています。
ただ、今週は英中銀金融政策委員会(MPC)が控えていて、先行き不透明感や合意なき離脱のリスクを鑑み、英中銀は緩和スタンスを維持する公算が大きく、依然としてハト派に大きく傾いていると市場予測とされています。
FOMCを控えての様子見やポジション調整
連邦準備制度理事会(FRB)はゼロ金利や量的緩和(QE)を据え置く見込みです。
大統領選挙前、最後の会合となるため、大きな政策変更は困難となりそうです。
注目はFRBがインフレ平均目標という新指針を発表後、メンバーの景気、インフレ、金利見通しとなる。経済専門局であるCNBCがFRBの新指針発表後、市場関係者を対象に実施した調査によると大半の回答者がFRBは2023年まで利上げを行わないと見ていることが明らかになりました。
前回7月の調査から6カ月先伸ばし。新指針では、FRBは長期にわたりインフレが2%を割り込んだ場合、2%を上回ることを容認することになるため、当初の想定以上に長期にわたり低金利を据え置く必要が出てきます。
FRBの見通しでもゼロ金利の据え置き期間が先延ばしとなった場合、ドル売り圧力となりそうです。
ユーロドルはきのうから上値の重い展開が見られています。
FOMC自体は据え置きが確実視されているものの、FRBが低金利政策の長期化に向けた新たな枠組みについて何らかのヒントを出して来るのではとの見方から、市場ではドル安の反応からユーロドルの上げを期待する声も聞かれます。
しかし、一部からは、今回は期待したほどのユーロドルの上昇は見られないかもしれないとの見方も出ています。
先日のパウエルFRB議長の講演を受けて、ほとんどの投資家が平均2%のインフレ目標への変更を織り込んでおり、この手のケースの場合、FOMCの結果を受けてユーロドルが1.20ドル台に向かう可能性は低いといわれます。
それらに備えたユーロドルのロングポジションの調整が入っているのかもしれません。