ジャクソンホールでのボラティリティ
27日にジャクソンホールでのFRBの年次シンポジウムで行われたパウエルFRB議長の講演を受けて、為替市場は上下動しています。
議長は金融政策の枠組みについて、平均で2%のインフレ目標に言及し、景気低迷期にはインフレが2%超に上昇しても、しばらく容認する姿勢を見せました。
金融政策をインフレから雇用重視にシフトし、景気配慮型に変更したい意向を示している模様です。
これによりFRBが低金利を長期化させるとの思惑から、講演内容が伝わった直後はドル売りが強まり、ドル円も105.60円近辺まで急速に下落しました。
しかし、売りが一巡すると米国債利回りの上昇と伴にドルも買い戻しが強まり、ドル円はストップを巻き込んで106円台半ばに上昇しています。
激しい動きとなりましたが、特に議長の発言からはドルを買い戻す材料は伝わっていません。
平均2%のインフレ目標というのは、既に市場でもコンセンサスができていた内容でもあり、ドルもそれを十分織り込んでいました。
月末接近もあり、ある種、材料出尽くし感が強まったのかもしれません。
ユーロも講演内容に左右されました
ユーロドルは1.18ドル台に再び戻す展開となっています。
パウエル議長の講演を受けてユーロドルも1.19ドル台に瞬間的に乗せる場面もみられました。
しかし、動きが一巡すると、今度はストップを巻き込んで1.17ドル台に急速に下落しています。
ただ、ドル安期待が根強いのか、1.17ドル台に入ると押し目買いも旺盛に入るようです。
ユーロドルは21日線を挟んでの攻防戦が繰り広げられていますが、どちらに傾くのか注目の水準に来ています。
次第に欧州での感染第2波が警戒されていて、景気の先行き不安も高まりつつある中、本日はメルケル独首相が国民に対して、危険地域への渡航は控えるよう要請していました。