今月末に退任するドラギ総裁の最後の定例理事会では、ECBは政策金利の据置と、前回9月の理事会での決定通り、11月から月200億ユーロのペースで資産買い入れを再開しました。
この資産買い入れに関しては必要な限り継続することを確認しています。
ユーロ圏全体の成長率は低調ですが、ドラギ総裁は緩和的な政策金利の恩恵はリスクを遥かに上回るとし、出来る限り最前の方法で職務を全うしようとしてきたと主張、理事会内部での対立に関しては継続する議論の本質的部分であると捉えているとしました。
資産買い入れ再開を巡っては、ドイツやオランダ、オーストリアの中銀総裁など少数のタカ派だけでなく、フランスの理事会メンバーも反対しています。
アナリスト調査によると、約95%が追加緩和策について、ECBのインフレ目標達成にそれほど役に立たないと回答しています。
欧州のメガバンクであるBMPバリバ銀行は、ECBの金融政策は当面、自動的に運営されるだろうと指摘し、2020年以降も現在の超緩和的なスタンスが継続されると見ており、追加緩和のハードルはかなり高いとの見方を示しています。
ECBの内部混乱は、続く見通しで、ラガルド次期総裁は緩和的な政策が預金者や金融機関、年金の打撃となり、物価押上効果はほとんど無い一方で金融バブルにつながるという反対論に対して、対処していかなければいけません。
ECBのインフレ目標も、今は2%近い水準を設定していますが、9月の段階で0.8%にとどまっています。
ラガルド新総裁は政策を見直す一方で、新体制の下でこの目標は変更される可能性もあります
ユーロ圏では大規模な緩和が長期に渡って必要だとの考えを理事会で改めて示した感じです。
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