ECB年内利上げ断念

FRBを含む世界の主要中銀が利上げ休止姿勢を示す中、ECBも今回、世界的な貿易戦争やイギリスのブレグジットを巡る不確実性の他、イタリアの債務懸念が欧州全体の経済成長の重しとなっているとして、政策金利に関して、“主要政策金利は少なくとも今年度末まで、また必要な間、現行水準位止まると予想する”としました。
市場ではECBが年内利上げに動かない見方がすでに織り込まれてはいましたが、今回の理事会でガイダンスの変更があるとはほとんど予想されておらず、予想外の踏み込んだ形となった今回の発表を受け、債券市場では国債利回りが低下。為替市場でもユーロは大幅に下落しました。

ECBは昨年度末にQEを終了させたばかりで今回の理事会で金利を現行水準に据え置く期間を先延ばしにしたことは、1つの政策転換とみなされます。
市場関係も、ECBは明らかに先手をうち、金融政策スタンスの根拠のない引き締めを防ごうとしたと指摘。
ただ、この先経済の著しい下振れに対応するには過去に例を見ない措置が必要となるため、ECBの今回の決定は一種のギャンブルであるとの見解を示しています。

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