9日の外為市場では、FRBが10日まで開催するFOMCで景気に慎重な方針を維持すると見られるほか米国経済の景気後退入りでドルの上値が抑制されると考えられます。
さらに、米国の株式相場はナスダックが8日に過去最高値を更新後、いったん利食いなどに反落しているためリスク回避の動きも優勢となりました。
世銀は8日、世界経済の見通しを発表し、新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年の世界経済の成長率がマイナス5.2%に減速するとの見方を発表しました。
コロナの感染状況によっては今後さらに落ち込む可能性があることも指摘しています。
日本の成長率はマイナス6.1%と、世界全体よりも落ち込みが大きく、2021年には世界全体がプラス4.2%と予測される中、日本は2.5%のプラスに留まると見られています。
これに先立ち、全米経済研究所(NBER)は8日、米国経済が2月に景気後退入りしたと宣言しました。
多くのエコノミストが景気後退が4−6月期に終了。歴史的にも深刻な景気後退が歴史的な最短期間で終了すると見ておりドルの下値を支えています。
FRBはFOMCで実質ゼロ金利、無制限の量的緩和(QE)を据え置き、リスクを強調し、不透明感から当面大規模緩和を維持する方針を示すと見られます。
今回の会合で発表されるFOMCの見通しにも注目が集まります。