3日の米株式市場は昨年10月につけた過去最高値を上回って推移しています。
市場予想を下回る米雇用関連の経済指標を受けてFRBが今月に利下げするとの期待が高まり相場を支えています。
明日の独立記念日の祝日を控えて目先の利益を確定する売りも出やすく、上値が重い状態が続いています。
他にも利下げの期待値として、トランプ大統領がFRB理事に、利下げを主張するエコノミストのジュディ・シェルトン氏、セントルイス連邦準備銀行エコノミストのクリストファー・ウォーラー氏を指名する意向をツイッターで示しました。
シェルトン氏は現在、欧州復興開発銀行の米国代表理事を勤めています。金本位性の復活を主張し、一時はFRBの金融緩和策を批判したこともあります。
トランプ大統領がパウエル議長に利下げ圧力を強める中、米紙での6月のインタビューでは、理事に就任すれば迅速に利下げをすると、方針転換しており、現在はトランプ大統領とも方向性が同じようで、就任後は利下げを支持するメンバーとなりそうです。
ECBの次期総裁はラガルドIMF専務理事に決定
これまで、ECBドラギ総裁の後任には、タカ派のイェンス・バルトマン独連銀総裁が候補として上がっていましたが、EU首脳は2日にブリュッセルで開いた会議で、IMFのラガルド専務理事を次期総裁へと指名しました。
エバコアISIが作成したリポートによると、ラガルド氏が総裁になれば、ユーロ圏の成長を促す上でより積極的な役割を果たすよう促す一方、金融政策は幅広くハト派に傾くだろうと指摘しました。
その上で、9月のECB理事会は、ドラギ総裁による最後の利下げと、QEプログラムの両方が行われる可能性があり、金融政策のフォワードガイダンスは過去のものと異なる措置が取られる可能性があると指摘しました。
一方で、JPモルガンは2日付のレポートで金融政策に関するラガルド氏の見解はあまり知られてないが、我々は彼女は非常に安全な選択だと思っていると指摘し、正式な経済学の経歴も持たず、中央銀行の経験もないわけだが、フランスの財務大臣を務め、IMFでユーロ圏の危機、ギリシャ救済の対応にも深く関わってきたと実績を評価し、ドラギ総裁ほどハト派かどうかは不明としながら、 IMFがECBの量的緩和や目標を絞った長期資金供給オペ、マイナス金利などの政策を支持してきたことを踏まえれば考えが近いとおもうのは安全で方向に大きな変化はないだろうと分析されています。
FRBだけでなくECBも緩和路線を強め、先週はBOEが利下げの可能性を言及、RBA、RBNZも利下げへと動いています。
緩和政策にまだ余裕のある各国主要銀行と、緩和政策にもはや余裕のない日銀。
市場の一部では円高進行阻止を目的とする追加緩和の一環としてマイナス金利を深掘りするのではないかという予想が出てきていますが、日銀はいまだに世界経済が年後半に回復するシナリオは崩れていないと強調しています。
世界経済が傾きかけているいま、世界中の中銀が緩和の方向へと舵を切っているのに対して、対策を取らない日銀となれば、他通貨に対してどんどん円が買われていってしまう流れとなってしまいそうです
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