コロナ感染者の拡大や原油の大幅な下落、株価の暴落、米長期債利回りの低下、更にはレバノンのデフォルトなど悪材料が重なって週明け月曜日のドル円は先週NYクローズの105.38から窓を開けて104.92レベルでオセアニア市場で取引が始まり、東京序盤は104円台で取引されました。
新型コロナの感染拡大だけでは日経平均がここまで大きく崩れる事はなかったと考えられます。
大きな原因は原油価格の急落
OPEC+は、今年3月末まで 210万バレルの減産で合意していました。
今回はコロナ感染により世界的な需要の落ち込みをカバーするために、追加で150万バレルの減産を年末まで実施することで合意を取り付けようとしていました。
しかしロシアの反対で、この合意は取り付けられず、210万バレルの減産を3月末から延長することもしませんでした、このままでいけば、コロナ感染による需要減も重なり、マーケットが原油供給過多になるのかもしれません。
もしこの合意がなされていれば、合計360万バレルの減産となるはずでした。これは、世界全体の原油供給量の3.6%に当たります。
原油価格の下落は、非鉄金属や鉄鉱石など他の商品にも波及するのは必至で、「脆弱な資源国、新興国から投資マネーの逆流が起きる」との恐れも強まります。
日銀の動向
黒田日銀総裁は9日の参院予算委員会で、「投資家のセンチメントが悪化している」「日銀も方針に沿って適切に躊躇なく対応する」などと述べたほか、麻生財務相は「今の段階では金融でやれる範囲はかなり限られる」「金融だけでなく、財政も対応していかなければならない」などの見解を示しました。
2日の総裁談話に基づき、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めると述べました。
内外市場の動向を注視し「適切に躊躇なく対応していく」と強調。
日銀の急な緩和の動きには織り込みが少ない分注意が必要になってきます。
FRBは更なる利下げへ動くか
今月3日に続き17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げに思惑が広がっりました。
それを受け、米10年債利回りの低下が進み、ドルは一段安。その後、新型コロナウイルスの経済への影響に抑制するとのクドロー米国家経済会議(NEC)委員長の発言が好感され、一時的には株価の下げ幅縮小が今ドル売りを弱めました。
原油価格の急落が投資家心理を冷やしてリスク資産を手放し、相対的に安全資産とされる米国債に資金を移す動きが加速し、9日未明の時間外取引で長期金利の指標となる米10年物国際利回りは一時前週末比0.45%低い0.31%と過去最低を更新しました。
ここまで低い金利は株の更なる売りを誘いダウ先物は一時的に「サーキットブレーカー」が発動され、株式市場の取引が部分的にストップしていました。
サーキットブレーカーとは市場の混乱や大暴落を防ぐためのシステムで、急激な変動が起きた時に発動。サーキットの一時停止にも段階があり、今回は市場の開始時間を少し制限するサーキットブレーカーとなっていました。
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