ドル買い戻しの流れ

7月末の為替市場はドルの買い戻しが強まっていて、ドル円は106円近辺まで急上昇しています。
ドル円は一時104円台前半まで下落し、安値から200ポイント近く切り返しています。
ドル買いの直接的な材料は見当たらないものの、月末ということや、感染第2波の中での夏休みシーズンに入りということもあり、ドルショートの整理が活発化しているのかもしれません。

米経済への依然としての不安

今週発表の第2四半期の米GDPが過去最悪のマイナス成長になり、米国内で感染第2波の拡大が依然として収束しない中で、市場は、米経済は期待ほど早期の回復はないのではとの不安が強まっています。
前日発表になった大手IT・ハイテク企業の決算は、逆にパンデミックの恩恵もあってAmazonなど最高益の企業も出ましたが、全体的な雰囲気の改善にはつながっていない感じです。

そのような中で為替市場はドル売りが強まり、ドル円も心理的節目の105円を割り込みましたが、さすがに過熱感も出ており、月末のドレッシング買いが出ているのかもしれません。
市場では一時的なドル買いと見ている人は多いみたいです。

ユーロドルは戻り売りが強まる

これまで買いの勢いが加速していたユーロドルですが、1.20ドルを上回った場合はECBが何らかのアクションをとる可能性もあるとの指摘も聞かれます。
ECBはユーロ圏経済へのディスインフレの影響を考慮すると、最近のユーロ上昇は無視できないだろうと考えられます。
ただ、ユーロ圏は、GDPに占める経常収支が2.8%の黒字であるのに対し、米国は2.1%の赤字を抱えているため、ユーロ安は難しいと思われます。
米政府が11月の米大統領選挙に向けてドル高誘導を取ることはまずないものと思われ、ECBがユーロ高に苦言を呈したとしても、簡単にはドル高・ユーロ安の流れには戻らないとも述べている。

ポンドドルは底堅い動き

来週は英中銀金融政策委員会(MPC)が行われます。
四半期インフレ報告も公表され、経済見通しが公表されるものと思われますが、一部からは2020年の成長見通しは上方修正される一方で失業率とインフレ見通しは下方修正されるとの予想も出ています。
政策自体は据え置きが確実視されているものの、将来的なマイナス金利導入の可能性にはオープンの姿勢を示してくるとの見方も出ているようです。