ドルの買い戻し

20日のマーケットではユーロドル、豪ドル/ドル、ポンドドルなどが年初来高値(ドルの年初来安値)を更新した後は、市場のなかでもある程度の達成感で、ドルの買い戻しが優勢となっています。

ただし、ドル売りの調整が入っているとはいえ、ドル売りトレンドが終了したと思うのは時期尚早とは考えられます。
特にドル円に関してはセリング・クライマックスをむかえたような相場にもなっておらず、欧州通貨などに対してIMM(シカゴにある通貨先物市場)勢は大きく買い越しをしていることで、ある程度のポジション調整は入るかもしれません。

円に対しては商品先物取引委員会が発表している最新の主要な先物(8月11日分)のポジションは前回発表値と比較しても、円ロングは減少していることでドル円の調整は大きくはならないと思われます。
また、本邦勢が106円台での戻り売りを狙っていることもあり、106円台を積極的に買いで仕掛けるのも現時点では難しそうです。
ドル円は週末を前に今週の流れは売り場探しの状況は変わらないかもしれません。

FOMC議事録公開

19日のマーケットでの米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受け、ハト派観測が後退しました。
また、米国の経済指標で改善が示されれば、先行きを懸念したドル売りは縮小しそうです。

前日公表されたFOMC議事要旨(7月28-29日開催分)には、積極的な刺激策を予想より長期にわたって実施する可能性が示された半面、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)に否定的な見解が盛り込まれていました。
市場が想定していたほどハト派のトーンが強くなく、市場では調整場所を探していた事もありドル買い優勢の展開となりました。
本日アジア市場ではその流れを受け継ぎドル買い基調に振れ、ドル・円は一時106円20銭付近に浮上。
その後ドル買いは一巡したほか、日経平均株価の23000円割れで日本株安を嫌気した円買いも観測されたが、106円付近を維持しています。