7月最終週、8月第1週

7月も終わりに近づき今週からは8月に入ります。
8月にはあまり需要なイベントはありませんが、米中通商交渉、NAFTA再交渉、米中新通商協議、など通商交渉が相場の材料になりそうです。
イギリスはブレグジット交渉で最悪のパターンである「合意なき離脱」が現実味を帯びてくる可能性も出てきました。

貿易摩擦が為替に与える影響

アメリカ発、いまだに解決していない貿易摩擦ですが高率の関税や輸入制限は世界貿易の縮小につながるため、貿易依存度の高い資源新興国通貨にとってはマイナス要因です。
その裏返しで米ドルは堅調となるかもしれません。ただし、貿易摩擦の結果、世界経済が減速するようならリスクオフが強まり、米ドルも、対円に対しては軟調になりそうです。
現在の状況では、日銀の追加緩和の余地が乏しいため、貿易戦争でも米ドルと、円は膠着状態にあります。

通商交渉の行方

米中通商交渉
米国が2000億ドル相当の中国製品に対して、追加関税を検討している件では、8月下旬に意見徴収や公聴会を行い、早ければ9月初めにも発動するかもしれません。
両国の通商交渉は現在進行形で続けられていますが、お互いに譲らず、なかなか解決するには難しいのが現状みたいです。
米欧通商交渉
7月25日に、ワシントンで会談したトランプ大統領とユンケルEU委員長は貿易戦争を回避する方向で合意、市場はこれを好感しユーロが一時的に買われました。
ただ、米中が一旦通商協議継続で合意したにもかかわらず、直後に米国が対中制裁関税を発動したように、貿易戦争回避に向けて今後に進展が見られるかどうかはまだわかりません。米国は自動車関税について調査を継続するとしており、新たに摩擦が表面化する可能性はありそうです。
NAFTA再交渉
7月1日のメキシコ大統領選で中断していた交渉ですが、26日から再開されました。
11月の米中間選挙や12月のメキシコ新大統領就任を見越して8月中の暫定合意を目指しています。
米国はその後にカナダとの交渉を本格化させる意向のようです。
日米新通商協議
6月の日米首脳会談での合意された会合は、当初の予定より遅れて8月に開催される見通しです。
日本も対象になっている鉄鋼、アルミ関税や、自動車関税について交渉が行われることになりそうです。

ブレグジットの行方

離脱交渉はなかなか進まない現状で、メイ首相はEUと現在の関係をある程度保てる「ソフトブレグジット」を選択しましたが、強行離脱派からも親EU派からも批判されています。さらに、7月26日、EUバルニエ首席交渉官は、離脱後の通商条件について英国案の主要部分を拒否しました。
19年3月の英国のEU離脱に向けて、10月までに英国とEUが離脱条件で合意し、それからEU加盟各国で承認される必要があります。交渉が難航するようであれば、合意のない離脱である「ハードブレグジット」という最悪のパターンでの離脱も可能性として出てきました。

日銀の金融政策決定会合

7月31日には日銀の金融政策決定会合の結果が判明します。ここ数年、全く動かない日銀の会合ですが、今回は金融緩和の長期化の副作用に対応するため、国債やETFの買い入れ方法の柔軟化などが検討されるようです。
黒田総裁は会見で、そうした変更は出口とは関係ないことを強調すると思われますが市場がどういう反応するのか要注意です。円は買いで織り込み始めていますが、もし何もなかった場合失望での円売りになる可能性もあるため、動向には注意が必要です。

8月1日にはFOMCがあります。市場では現状維持だとみられていますが、声明文で、景気や物価情勢や通商問題についてどのような内容が出てくるのかは注意するところです。
また、追加利上げが有力視されている9月26日のFOMCに向けて何かしらの情報が出てくるのか
その後に発表される8月の雇用統計なども利上げの材料としては重要視されるため、追加利上げの判断材料として重要視されるかもしれません。

8月2日はBOEがあります。7月26日の時点では90%前後の確率で利上げが予想されています。
前回は9人の委員のうち3人が即時利上げを主張しました。ただし、ブレグジット交渉の難航もあり、カーニー副総裁は利上げに慎重とみられています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です