材料に乏しくジャクソンホール待ち

ドル円の為替市場では底堅く上値が重い状態が続いていて、次の材料を待つ展開となっています。
毎年8月は、材料に乏しく、そのため今週末に開かれるジャクソンホールでの経済シンポジウムが注目されそうです。
このシンポジウムには世界中から中銀総裁や、エコノミスト、企業のトップなどが集まり、景気や金融政策などについての議論をします。
FRBではパウエル議長が参加し、23日に“金融政策への挑戦”と題して講演を行うと発表しています。
20日にはクオーレ副議長もソルトレークシティーで講演を行うことも予定されており、注目されます。

今年のジャクソンホールは注目度が高い訳

毎年8月のジャクソンホールは、材料の乏しい月のため、注目されてきたのですが、今回はこれまでになく注目度が高いかもしれません。
先月末のFOMCでは市場予想通り25bpの利下げを行いましたが、その後の記者会見でパウエル議長が予想外にも「今回の利下げが長期的な利下げサイクルの始まりではない」と、市場での利下げ観測を牽制する発言を行いました。
ドル円はこの発言をキッカケに、利下げにもかかわらず上昇へと転換しています。
しかし、タイミングが悪かったのか、わざと発表したのか、翌8月1日にトランプ大統領が中国製品に3000億ドルに対する制裁関税第四弾を発表し、この日からドル円は下落へと転じ105円半ばまで下落しました。

このような流れの後にジャクソンホールでの講演のため、注目度は高く、9月のFOMCでは利下げがほぼ確実視されていますが、問題は利下げがあるなしではなく、利下げ幅へと移っています。

トランプ大統領は相変わらずFRBに利下げ圧力をかけています
出口の見えない中国問題(香港のデモもあり)の影響もあり、ニューヨーク市場でも混乱が続き、経済データも悪化を示す指標も出てきており、また、先週には逆イールドが発生するなど、利下げ待った無しの状況へと追いやられています
経済状況が悪化している中、タカ派寄りの発言は行いにくく、かといって政治圧力に屈した印象を持たれたくもないパウエル議長が、今後の金融政策についてどのような見解を示すのか、ジャクソンホールでの講演が注目されるところです。

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