経済活動の再開やウイルスワクチン、治療薬の開発に明るい見通しがたったためリスク選好の動きが継続している為替・株式市場ですが、ドル円の動きは5月の初旬に106円台を若干割り込む場面もありましたが、ほぼ106円~108円のレンジ内で推移し、ここ10日間ほどは107円台でのもみ合いが続いており、値幅は1円もなく動いています。
米中対立激化が引き続きリスク
香港を巡る米中関係も依然予断を許さない状況にあり、値動きも狭まってきていると考えれば、動き出すのも近いのではないかと思いますが、これは希望的観測も含めてのことです。
国家安全法を導入する決定をした中国政府に反発するデモが香港で深刻化。
米下院は対中制裁の準備をしていると報じられています。
主に中国の高官や企業が対象になる模様で、さらに、トランプ政権は学生や研究者向けの旅券発行を制限することも検討していると報じられており、米中貿易協定の行方や関係悪化が懸念されます。
値動きの抑制は他にも米長期金利の動きが鈍いことも大きな要因になっていると思われます。
米連邦準備理事会(FRB)は27日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、新型コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた混乱を反映し、全米の経済活動は過去数週間で急激に低下したとの見方を示しました。
見通しもなお極めて不透明としていて、企業の大半が悲観的に見ていると報告しています。ただ、想定範囲内でもあり、それ自体に対する為替市場の反応は限定的となっています。むしろ、株価に追随する展開が続いているようです