米中貿易摩擦に楽観的な見方

29日の為替市場では、米中貿易摩擦深刻化への懸念が後退し、リスク回避の動きが一段落しました。
9月1日の関税発動を前に、中国の商務省が、貿易問題の報復合戦の激化に反対し、米国との貿易戦争を冷静に解決、現状では報復しない意向であることが報じられ、ドルの買い戻しの動きが加速しました。

ただ、状況的には決定事項ではないため、依然方向性を探る展開となりそうです。
関税の行方にも加え、香港の状況も緊迫化しており、リスクは存続しており、また、超短期金利の逆転動向など、米再建動向にも引き続き流木が集まります。

ECBは利下げに踏み切るか

ECBの次期総裁に指名されたラガルド次期総裁は、金融リスクが伴うものの、必要であれば利下げする余地があると認識を示しました。
ラガルド氏はドラギ総裁の後任として、11月11日に就任の見込みで、ドラギ総裁の路線を概ね踏襲するとみられています。
ラガルド氏はこの他、金融政策の限界についても言及し、ECBは数多くの構造的な課題に直面しており、ECBにできることとできないことに対する観測を制御する必要があるとし、金融政策は景気サイクルの安定化には効果があるが、国の長期的な潜在成長力を押し上げることはできないとも述べました。
EU圏では抱えている問題も多く、緩和的な政策スタンスはしばらく続くと見られます。

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