FRBの低金利政策の長期化が見込まれる中で、市場のドルに対する見方は弱気が多く、ドル円にも、さほど強気にはなれない相場が続いています。
パウエルFRB議長が全米企業エコノミスト協会の年次会合で講演を行い、「景気対策は、過剰のほうが不足よりリスクが小さい。見通しの不確実性は高い」などと述べ、追加財政支援策の必要性に言及していたが、目新しい材料もないことから、反応は限定的となりました。
様子見ムードの中、ユーロドルは1.17ドル台後半での上下動。1.18ドル台に乗せるものの売り圧力も強く、1.17ドル台に押し戻される展開が続いています。
本日はラガルドECB総裁の発言が伝わって来ましたが、FRBのように「インフレ率が一時的に目標を上回ることを容認する戦略は検討に値する」との考えを示していました。
また、「マイナス金利の深堀や、追加緩和も準備ができている」とも述べています。
一方、ECBのレーン理事は「インフレのモメンタム上昇のために余計な刺激を加えるのには慎重」と述べ、追加緩和には慎重姿勢も示唆しています。
ECB内で意見が分かれているとの指摘も伝わっていたが、その雰囲気も伝わってきています。
欧州ではフランスやスペインといった主要加盟国で新型コロナウイルス感染第2波が拡大している中、市場では年内の追加緩和への期待感が根強くあります。
ただ、いまのユーロドルは、ユーロ固有の材料よりもドルの動きに左右される展開が続いており、ドル安期待が根強い中で、上値に慎重ながらも底堅さは堅持している状況です。