大発会はイラン情勢懸念から下落

2020年最初の取引となった6日の東京市場で日経平均株価は19年末比451円安と、大発会として過去4番目の下げ幅を記録しました。
米国とイランの対立激化が世界景気回復への楽観ムードに水を差した形で、投資マネーはリスク資産から安全資産に退避し、金は6年9カ月ぶり、円相場は対ドルで3カ月ぶりの高値水準となりました。

中東情勢の悪化からリスク回避の動きも

米軍によるイラン司令官の殺害をきっかけとした中東情勢の悪化で、投資家のリスク回避姿勢が強まっています。
昨年末に部分合意に達した米中貿易対立への安堵感が広がる中で、市場にとって中東情勢の緊迫は予期せぬ動きだったとファンド関係の人も語っています。

対照的に資金流入が目立つのが安全資産で、金の国際指標のニューヨーク先物は日本時間6日の時間外取引で一時1トロイオンス(約31グラム)1590ドルと6年9カ月ぶりの高値をつけました。
外国為替市場でも円買いが進み、6日朝には円が対ドルで一時1ドル=107円80銭程度まで上昇した。

中東からの供給懸念から原油価格は一段高となり、ニューヨーク先物は6日の時間外取引で1バレル64ドル台半ばと約8カ月ぶりの高値となっています

アジア市場では日本株の下げが突出しました。

「短期筋が日本株への売りを主導しており、イランによる米軍基地への攻撃など状況が極端に悪化しなければ、影響は限定的となりそうだ」との声もあり、これ以上悪化しない限りは底堅い動きが続きそうですが、地政学リスク回避地合いが継続していることで、下値リスクは依然警戒する展開となり、上値を追う展開もなかなか難しそうです

また、ロシアと中国はイラン支持を表明しており、中東情勢の緊迫化が強まった場合、15日に予定されている米中通商「第1段階合意」文書への米中首脳による署名が先送りされる可能性も高まることで、昨年末のリスク選好の地合い(株高・ドル高)の巻き戻しの可能性に要警戒となりそうです。

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