FOMCを控え慎重な動き

28日から開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)では、今後の金利の道筋に関する指針が恐らく議題の一つになると考えられます。
米東部時間29日午後2時(日本時間30日午前3時)にFOMC声明が公表されるが、実際の文言の変更に反映されるのは、時期尚早かもしれません。

FF金利の誘導目標レンジを0-0.25%に引き下げることを決めた3月15日のFOMC声明では、
「経済が最近の出来事を乗り切り、最大限の雇用と物価安定の目標を達成する軌道にあると委員会が確信するようになるまで」
この目標レンジを維持するとしました。

その後、新型コロナ感染拡大を抑制するためのロックダウンによって、多大な数の失業者が生じ、最新のデータでは4月の失業率が20%と、08年の危機後のピークの2倍の水準にまで悪化した可能性が示されています。

ニューヨーク連銀の執行副総裁を務めたサイモン・ポッター氏と、元同僚のグハ氏は3月15日のFOMC声明について、解釈のための余地が大き過ぎると指摘。
両氏は共同で、少なくとも失業率が4%に戻るまでFF金利の誘導目標をゼロ%に据え置くことをFOMCが公約するよう提言をまとめるとともに、さらに2020年初め以降のインフレ率が平均で2.5%に加速するまでゼロ金利政策を続けることに責任を持って対応すべきだと提唱しました。

現段階で一段と強力なガイダンスを示すのは早過ぎるとしても、29日午後2時半からのパウエル議長の記者会見で、この件について記者団から恐らく質問があると予想され、議長にとっては6月9、10日のFOMCでの前段階として今回のFOMCは乗り切るのかもしれません。

現在はリスクオンのドル安が続いていますがこの流れがいつまで続くのかも注視していきたいところです