EU復興基金を巡る協議

EUは19日、加盟国首脳による会議を開催

新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を再生させるための復興基金について、資金の使い方を巡る対立を解消できず、合意を先送りしにしました。
7月中旬に再び首脳会議を開き、合意を目指す模様です。

コロナ復興基金案に加え1兆1000億ユーロ規模の2021ー27年度予算案の扱いを議論。
首脳らは経済の復興に向け迅速な対応が必要との認識で一致したほか、7月中旬に対面形式による会議を開催することでも合意しました。

欧州委のフォンデアライエン委員長は記者団に対し「コロナ危機の深刻さは野心的な共通対応を正当化するとの考えで一致した」と語っています。
これに先立ち、ECBのラガルド総裁は、EU経済が劇的な落ち込み局面にあるとした上で、首脳らに迅速な対応を求めました。

一部の首脳からは協議が進展しないことに焦りの色もうかがえます。

最大の争点は、加盟国に配分する復興基金の資金を返済が必要な融資とするのか、それとも返済不要な助成金とするかという点です。
欧州委の案では3分の2に当たる5000億ユーロを助成金とし、残りを融資としているが、この点を巡って保守的な北欧諸国と「クラブメッド」と呼ばれる南欧の高債務国の意見が対立しています。

財政規律を重視するいわゆる倹約4カ国(オーストリア、オランダ、スウェーデン、デンマーク)は復興基金の規模が大きすぎで、資金を融資のみとして扱うよう主張。
また基金をコロナ危機からの復興と明確に関連付けるとともに、経済改革へのコミットを支援を受ける条件にするよう求めていて、話は平行線を辿っている状況です。