3日の為替相場では、前日の弱いドイツの経済指標に加え、欧州中央銀行(ECB)によるユーロ高けん制の支えもあり、全体的にドルの買い戻しの動きが見られました。
英フィナンシャル・タイムズによれば、ECB高官らは、ユーロ高が継続すれば、ユーロ圏の輸出を抑制するほか、国内物価を押し下げ、さらなる金融刺激策を導入する必要に迫られることを案じています。
市場筋によれば、ECBのレーン専務理事兼主任エコノミストも最近、同様の懸念を表明したみたいです。
また、投機筋によるユーロロングが相当程度まで膨らんでいることで、ユーロの潜在的下落余地は大きいとも見られています。
IMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組によると、8月25日時点のユーロのネットロングは21万1752枚と過去最大級の規模に達しています。
市場では「独経済指標にかげりが見え始めていることやECBの口先介入をきっかけに(ユーロは)勝ち組から転落する可能性もある」との声も聞かれます。
ドルが伸び悩む背景
金曜日の米雇用統計に対する不安感もあり、ドルは伸び悩んでいます。
「雇用統計が悪ければ、米長期金利が低下し、ドル売りが加速しかねない。米労働市場の回復が失速すれば、米国の格差問題に焦点が集まり、大統領選を巡る不透明感が一段と高まるだろう」との市場関係者の声も出ており、結果に注目が集まりそうです。