米労働省が8日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から2050万人減となり、1930年代の大恐慌以降で最大の落ち込みとなりました。
新型コロナウイルスのパンデミックが米経済に打撃を与えていることが浮き彫りとなった形です。
悲惨な結果ながら予想ほど落ち込まなかったため米国債は反落。ドルもショートカバーが優勢となりました。
その中で米労働省は、働いていなくても就業者と見なされる「隠れ失業者」が多数いたと認め、実際の失業率は20%近くに達した可能性があると明らかにしました。
休暇取得などの理由による欠勤扱いの就業者数は1150万人でしたが、このうち欠勤理由が「不明」な人は800万人強に上ったと指摘。
その上で「追加で750万人相当がレイオフ(一時帰休)による失業者と見なされるべきだった」とし、こうした人を加味した失業率は19.5%に達したとの見方を示しました。
さらに、就職は希望するものの、新型コロナウイルス感染に伴う外出制限で職を探していない人が統計から抜け落ちたとも指摘。
「4月は新型コロナへの不安から多くの人が労働市場への参入を見合わせた」としました。
現在の統計では、積極的な職探しをしていない人は労働力人口に含まれません。
エコノミストは4月が最悪の月になると見ていて、今後は緩やかな改善に向かうとの見通しが台頭していますが、こういった状況からはたして回復に向かうかどうかはまだ判断するには早いような気もします。