15日のニューヨーク市場では、前日発表の10月の米消費者物価コア指数が予想外に9月から低下したことを受け、FRBの利上げペースが鈍化するなどの思惑が浮上、ドル買いは後退ムードとなっています。
そんな中で、14日のニューヨーク市場のクローズ後、パウエルFRB議長がダラス連銀主催会合での発言が注目されています。
パウエル議長は、米経済は非常に強いとし、緩やかな利上げを続ける姿勢を示しました。ただ、世界経済はやや減退する感じがあると指摘、また、国内の市場では住宅市場の原則の兆候を注視するとの見方も示しています。
8日に発表されたFOMCの声明では、米経済の力強さが強調されたが、14日のパウエル議長の発言は、米経済の先行きにいくつもの懸念材料が横たわっていることを示した形となりました。
ドル円の先行きでは、外為アナリストが株安によるリスク回避の円買いと、最近のドル高の巻き戻しが相乗効果となり、上値が重いとしています。
市場では、来年1月に米下院金融サービス委員会の委員長に就任する見込みとなっている民主党のウォーターズ議員が金融業界の規制強化を求める考えを明らかにしたことが話題となりました。
ウォーターズ議員は14日、FRBが大手銀行を厳しく監督すべきとの考えを示し、これをきっかけに株式市場では金融株が売られています。
さらに新NAFTAについても、民主党は内容を厳しく精査すべきとの方針を示しており、ねじれ議会がこれまでのトランプ政権の政策路線を行き詰まらせることが現実味を帯びてきたとの声も出てきています。
ポンドは上昇後もいざこざが絶えず結局下落へ
悪いニュースに反応しなくなって投資家が、買いどころを探しているとされていたポンドですが、さすがに本日、英国のラーブEU離脱担当相が辞任したことに関してポンドが再び下落となりました。
ラーブ氏は、メイ首相の離脱協定案に抗議し、ツイッターにも声明文を掲載しています。
「EU離脱協定案に関するこ昨日の閣議を受け、私は遺憾ながら辞任しなければならない」とのことです。
他にも「協議案を支持することができない」とも発言。首相の協定案では英国の一体性が脅かされると語っています。
15日にはマクベイ雇用・年金相も辞任しています。
マクベイ氏はメイ首相に宛てた書簡で、昨日閣議に提出された協議案は、国民投票の結果を尊重していないと述べています。
英国政府は14日の臨時閣議でEUからの離脱協定素案を承認したが、閣議決定は全会一致ではなかったみたいです。
主要閣僚の辞任で、メイ首相は危機的状況に陥ったとも見えます。
EU離脱の先行きも不透明になり、与党・保守党の離脱推進派はメイ首相の不信任投票を求める可能性が出てきました。
ポンドドルのチャートを見ても1.269あたりの底を試して上昇に転じたかと思われたのですが一転して再びの下落です。
このラインを抜けるとEU離脱が決定した2016年の相場まで逆戻りする可能性があるため、今後のニュースには注意が必要です。
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