4日の為替市場はNY時間に入ってドル売りが優勢となり、ドル円は再び105円台に下落しました。
原油や金といった商品相場が上昇しているほか、TikTokを巡って米中対立がエスカレートを見せる中でも米株が底堅く推移しており、従来のリスク選好のドル売りが出ているのかもしれません。
ドル円は106.20円付近まで上昇していたものの、NY時間に入って戻り売りが強まり、ストップを巻き込んで105.75円付近まで下落する場面もみられます。
ただ、105円台に入ると押し目買いも入るようで、下押しする動きまではまだ見られていません。
米中対立については、人気動画アプリ「TikTok」を巡り、トランプ大統領が9月15日までにTikTokの米事業を売却するよう要請しており、それができなければ、営業停止にすると宣言しています。
マイクロソフトが交渉に乗り出しましたが、中国政府はマイクロソフトによる買収を受け入れず、売却を余儀なくされた場合は米国に対して対抗措置を取る可能性があると伝わっています。
また、米追加経済対策を巡って米議会での与野党の協議がなお難航していますが、市場の反応は比較的落ち着いており、法案の進展を待っている状況です。
ユーロドルも底堅い動き
ユーロドルも下げ渋る動きが出ており、1.1770ドル近辺まで下落。調整の流れは続いており、NY時間の朝方には一時1.1720ドル付近に下落しており、調整の雰囲気は続いています。
調整の流れの中で一部からは、下値では押し目買いを推奨する声も聞かれます。
ユーロドルは8月にこれまでの上昇を修正する可能性はあるものの、米国はユーロ圏よりも感染第2波の打撃を受けており、中期的には底堅い推移が続くとの見方を示しています。
2020/2021年のGDPの落ち込みもユーロ圏は米国ほどではないと予想しているようで、その見方が広く支持されれば、ユーロの強いフォローとなると見ている模様。
今週のポンドの動きには注意
今週は木曜日に英中銀金融政策委員会(MPC)を控えており、据え置きが確実視されているものの、市場の注目度は高いイベントです。
今回のMPCは経済見通しが公表され、ベイリー英中銀総裁の会見も予定されていますが、それらをきっかけに、金融緩和とEUとの貿易交渉の不確実性から、ポンドは下向きの圧力に直面しているという見方を強める可能性があるとの指摘も聞かれます。