止まらない原油の下落

原油先物の下落が止まりません

トランプ米大統領が示した米経済再開への指針を好感してアジアの取引では当初急伸していた原油価格ですが、その後に発表された中国の第1・四半期国内総生産(GDP)の内容を嫌気して下げへと転じました。

ライスタッド・エナジーの石油市場責任者は「製油所の稼働が大幅に低下し続けているため、市場は米原油在庫が急速に積み上がることを見越している」と語っています。

中国国家統計局が同日発表した第1・四半期のGDPは前年同期比6.8%減少、四半期の統計がさかのぼれる1992年以降で初のマイナスとなり、新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けた措置により、工場や交通機関、ショッピングモールが閉鎖されたことが響いた模様です。
これより先、トランプ大統領は16日に米経済再開に向けた指針で、各州は状況に応じて3段階で封鎖措置の解除を進めるべきとの考えを示しています。

石油サービス業のライスタッドエナジーは「トランプ大統領の封鎖解除計画に対する熱狂は冷めつつあるようだ。トレーダーらは経済が一夜にして回復するわけではないことに気付いている」と指摘しています。
原油先物は週間では2週連続で下落する見通し。
石油輸出国機構(OPEC)は16日、新型コロナウイルスの流行に伴う「歴史的なショック」を理由に、2020年の世界石油需要見通しを下方修正。一段の引き下げもあり得るとの見解を示した形となりました