世界経済のリセッション入り

7日に発表されたニュージーランド準備銀行、インド準備銀行、タイ中央銀行が相次いで利下げを決定したことで、アジア市場で長期債に買いが殺到し、利回りが低下。買い入れは欧州市場でも続き、独連邦債利回りが過去最低水準を更新しました。

オセアニア通貨全体に影響があったニュージーランド準備銀行の利下げですが、市場の予想以上の大幅な利下げとなり、今回の発表を受け、NZドルは2016年初め以来の安値をつけました。
NZ中銀は5月に25bpの利下げを実施し、ロイター通信の調査でも今回は25bpの利下げが予想されていました。
利下げと同時に公表された議事要旨によると、中銀は政策金利を25bp引き下げて緩和バイアスについてコミュニケーション取ることと、金利を50bp下げること双方の利点を議論し、最終的に全会一致で50bpの利下げを決定しました。
他にも中銀が生命と一緒に発表した見通しでは、年末までに3分の1程度の確率で追加緩和があり、2021年終盤までに利上げはないとの予想が示されています。
今回のNZ中銀の決定により、NZドルの金利は過去最低の1.0%となりました

タイの中銀も予想外の利下げ

タイ中央銀行は金融政策決定委員会で政策金利を0.25%引き下げ1.5%としました。
利下げは4年4ヶ月ぶりでこちらでもFRBによる7月末の利下げを受けた世界的な緩和の流れが影響した感じとなりました。
タイ経済は、昨年来堅調でしたが、今年に入り、米中貿易摩擦の影響で好調だった輸出が減速し、上半期は前年同期比2.9%減となりました。
その上、比較的健全な財政状況を背景とした投資資金の流入でバーツ相場が急伸し、タイ国内では輸出産業を中心に利下げ期待も強まっていました。
今回の政策金利発表ではタイ中銀のは利下げが全く織り込まれておらず予想外の展開に市場でも大きく影響しました。

トランプ大統領はFRBに利下げの圧力

2020年の再選を目指し、トランプ大統領はFRBに緩和圧力をかけています。
7日もツイッターでFRBに対し、大幅かつ早急な利下げを改めて要求。

無能ぶりは見るに耐えない、いとも簡単に対処できるというのに。いずれにせよ我々は勝利する。
米国は他国と競っており、いずれの国も米国の犠牲の上に成功したと考えている。このことを米金融当局が理解していたら、状況はずっと簡単なのに彼らは理解しなかったし今もしていない

と主張しました
ファンドの中では、このトランプ大統領の圧力は、逆に圧力に屈したと見られたくないFRBにとっては、かえって動きにくくなり逆効果とも指摘されています。
世界的な緩和の流れにより、苦しいのは日銀で、円高がさらに加速すれば、政権内で日銀にさらなる政策を求める声が強まることも予想されますが、緩和手段の余裕のあるFRBと比べて、日銀のこれ以上の緩和は副作用の方が大きくなるため更に困難となりそうです。

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