25日外為市場では新型肺炎の感染拡大による世界経済の悪化懸念がくすぶる中、リスク回避の動きとなっています。
米国の2月消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業指数が予想を下回ったため米国経済への懸念が一段と強まり、ダウ平均が一時280ドル超下落したことなどを受けてリスク回避目的の円買い・ドル売りが進行することとなりました。
トランプ大統領はインドへ
本日の日本時間では、インドを訪問中の米国のトランプ大統領が「中国の習国家主席は新型肺炎の抑制に断固として対応している」としたほか、「米国の新型肺炎の感染は制御されている」としたため、投資家間にとりあえず安心感がひろがり、ドル円が下げ止まる動きも見せました。
しかし、米国での感染拡大が広がる可能性やワクチンの開発には1年超近くかかるため世界的な拡大が深刻化する可能性も現時点では除外できません。
新型肺炎は欧州でも感染が拡大。世界保健機関(WHO)はイタリアや韓国などでの急激な感染拡大を受けて、「世界的な感染がピークをつけたがどうかはまだ明らかではない」としており、今後まだ感染拡大する可能性に懸念を表明。
サプライチェーンの混乱で、世界経済活動が一段と停滞する可能性が警戒されています。
国際通貨基金(IMF)は2020年の中国経済成長率見通しを1月時点の6%から0.4%引き下げ5.6%へ下方修正。世界経済の成長見通しを1月から0.1%引き下げ2.8%としました。
2019年の3.3%成長から鈍化を予想しています。
米国経済ではゴールドマンサックスが1−3月期の成長見通しを1.4%からさらに引き下げ+1.2%としましたが、第2四半期の成長は2.7%に回復すると予想しています。
V字型回復を期待する投資家もいるが時期尚早か
質への逃避として投資資金が米国債に流入しており、米国債の30年物利回りは過去最低。10年債利回りも過去最低となりました。
2016年以来の水準まで低下していて、新型肺炎の感染拡大により米国経済の成長見通しも引き下げられ、連邦準備制度理事会(FRB)の年内の追加利下げ観測も一段と強まっています。
米金利先物市場は本年3回の利下げを織り込んだ見通しです。
本日はクラリダ米FRB副議長の講演(全米企業エコノミスト協会)で、追加利下げの可能性を探る展開となりそうです。
現在のところ、市場とFRBの見通しには乖離があり、クラリダ副議長は先週のインタビューで、市場の利下げ観測に懐疑的で、米国経済のファンダメンタルズは依然強く、今のところ成長見通しを修正するような要素はなく、年内の政策金利据え置き予想を維持していることを明らかにしています。
同様の見解が示されるとドルを支える材料となりそうです。
今回の新型ウイルスがきっかけとなり、大きくダウの調整が入るかもしれません。
コロナウイルスの影響で、企業収益に下方修正が入る可能性があるため、警戒が必要であると米ゴールドマンサックスが警告を出しているみたいです
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