リスクオフの円買い

週明けの為替相場ではドル円は軟調。ダウ先物が900ドル超下落したことや日経平均CFDが1000円を超える下落をした事などを受けてリスク回避目的の円買い・ドル売りが先行しています。
「新型コロナウイルスによる経済的ダメージ」への警戒感を受けた株や債券市場の反応を睨みながら神経質な値動きとなりそうです。
 新型ウイルスを巡りアジアでは、韓国が感染拡大を止められず、日本も政府の対策が後手に回っている状況から、韓国の主要株式指数は大幅続落で終え、CME日経平均先物も前日比900円超安まで一時下げ幅を拡大し、欧州株式市場も、イタリア北部の感染急拡大で4%超安となった伊株を中心に売りが強まっりました。

イタリアでのコロナウイルスの影響

特にコロナウィルスの拡大が懸念されるイタリアでは、ミラノがあるロンバルディア州のいくつかの街の閉鎖などのニュースがあり、動揺しています。
早速欧州委員会の危機管理担当大臣が、コロナ感染防止対策用として、2億3000万ユーロを準備すると発表しました。

イタリアのGDPに占める旅行収入は約14%ですので、この問題が長期化すればするほど、イタリア経済のリセッション入りは避けられないのかもしれません。
ビスコ伊中銀総裁は、『感染が拡大すれば、今年のイタリアGDPが0.25%縮小する可能性』、『現時点ではコロナウィルスによる世界景気への影響は、マイナス0.1%の経済縮小と予想。』
『もし9月までに状況が著しく改善しなければ、悲惨なことになるだろう』『国境閉鎖やサプライチェーンがストップするなど、一時的にも「反グローバル化」が進むことになるかもしれない』などと発言しており、EUにも大きな影響が出始めて来ました

好調だった米株に陰り

感染が限定的とされていた米国ですが、ダウ先物は大きく売り込まれ、避難資産として米債や金への資金流入が進んでいます。先週末の2月米PMIも低調だったことなどから、米国内からも新型肺炎の影響を危惧する声は高まりそうです。

ドル円に関しては、日本売り要因も多く見られるなかで以前ほど円買いに傾き難い感じはあります。
米株や債券に対する反応も単純なリスク回避=円買いではなく、かなり売買が交錯するか。ただし、週末のG20財務相・中央銀行総裁会議に出席した黒田日銀総裁が述べた「必要あれば躊躇なく追加緩和」の必要性は、このままだと避けられないと思われています。
マイナス金利の深堀りが確実視される国の通貨を、世界的な低金利で運用難な中で買い進めるかは疑問が残り、もし株売りが止まずにドル売り・円買いに振れたとしても、本邦機関投資家にとっては絶好なドルの買い場になるかもしれません。

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