9日の外為市場は、パウエルFRB議長の経済状況に関する講演や石油輸出国機構(OPEC)の加盟国・非加盟国の臨時会合に注目が集まっています
原油は予想を外し大幅安へ
OPECプラスが日量1000万バレルの減産で合意と、一部で見込まれていた2000万バレル程度より減産規模が縮小したことから原油相場や米株が上昇幅を縮小しする展開となりました。
リスク選好の後退を嫌気して、ドル円は下落幅を広げる展開となっています。
新型コロナウイルス感染の収束に期待感
感染症の専門家で、米政権のコロナウイルス対策本部の主要メンバーのひとりであるファウチ氏が現時点での死亡者数が従来予想されていた10万人もしくは20万人を下回り6万人程度にとどまる可能性があると下方修正したことは早期の経済活動再開期待につながっており、リスク選好の動きを後押しました。
パウエル議長の講演
FRBは新たな措置を発表。新型コロナウイルス感染拡大への対応策の一環として、地方政府と中小企業に対する総額2兆3000億ドルの支援策を打ち出しました。
具体的には、従業員数が1万人以下の企業に対する期間4年間の融資を銀行を通して実施するほか、新型ウイルスの感染拡大への対応に追われている州政府のほか、人口の多い都市や郡が発行する債券を直接買い取るみたいです。
今回の対応策は、新型ウイルスの感染拡大を受けFRBが打ち出した措置の中で最も画期的なものとなる可能性があり、今後の経済の底上げに期待できそうです。
経済が恐慌入りすることを回避するため政府や連邦準備制度理事会(FRB)は中小企業支援に奔走しています。
ムニューシン米財務長官はFRBのプログラムが「供与ではなく融資」と確認。ムニューシン長官はさらに、政府の中小企業支援プログラムでは資金が枯渇することはないと無制限の支援提供を表明しています。
政府はあらたに2兆ドル規模の第4経済支援を検討しており、上院が本日にも承認する見通しでリスク選好の動きをさらに助けると見られています。
新型ウイルスの全米流行で外出自粛が発令され企業や小売りは製造停止や休業に追い込まれほぼ全従業員の一時解雇を強いられており先週分新規失業保険申請件数は661万件と、過去最大を記録した前週686.7万件に続き600万件台となりました。
先々週と合わせると、1600万人近くの数になり、アメリカ国民の約10%程度がこの3週間で職を失ったと考えられそうです。
この数字が米国経済はすでに景気後退入りしているとの懸念を裏付ける結果となりドル売りにつながりました。