1月25日にトランプ大統領と議会が合意した暫定予算が、2月15日に失効します。
物理的な壁に固着するトランプ大統領と、国境警備を含む予算案での妥協点で決着をつけたい民主党と共和党の超党派との対立から、大統領が議会の予算案を受け入れるかどうかは不透明になっています。
トランプ大統領が予算案を拒否して、改めてシャットダウンとなる、あるいはその観測が織り込まれ始めれば、米ドルの下落要因となり得そうです。
ユーロ圏は景気悪化が鮮明に
先月のECBの理事会後の会見で、ドラギ総裁は経済成長に対するリスクは下方向に転じたとの見解を示しました。
7日に欧州委員会が発表した経済見通しではユーロ圏の2019年のGDP予想は1.3%と、3ヶ月前の1.9%から下方修正されました。とりわけ、イタリアやドイツの下方修正が目立った感じです。
イタリアに関しては昨年10月から12月に2期連続マイナス成長となり事実上の景気後退期にはいりました。
6日、IMFはイタリア経済が長期低迷するとの予測を発表。
そうした状況下において、イタリアの連立政権は、減税や歳出増加など財政規律に反するポピュリスト的姿勢を強める可能性もあります。
ドイツの12月の製造業受注指数は前月比-1.6%と大幅なマイナスとなりました。
14日に発表される10月から12月期のGDP成長率が前期に続いてマイナスとなれば、ドイツも景気後退期入りとの懸念が強まるかもしれません。
イギリス経済は不透明なブレグジットの行方次第
7日に行われたBOEの会合では、政策金利の据え置きを発表したイギリスですが、BOEは今年の経済成長率予想を1.2%とし、3ヶ月前の1,7%から下方修正。
ブレグジットの不確実性による経済の下押し圧力を見込んだとしました。
また、カーニー総裁は、英経済は合意なき離脱に対する準備ができてないとし、そうなればマイナス成長の可能性が高まるだろうと付け加えました。
スムーズなブレグジットが実現することを前提とするなら、限定的かつ緩やかな利上げが必要になるとの見解も表明し、それをうけ、ポンドは反発しました。
スムーズなブレグジットという条件が満たされるかどうかは非常に不透明でどうなるかわからないため、楽観視するにはまだ早いような気もします。
オーストラリアドルは下落、引き締めから一転中立へ
オーストラリアドルは下落しています。
オーストラリア中銀は、金融政策スタンスを引き締め方向から中立へシフトしたことがおもな原因となります。
ロウRBA総裁は6日の講義で、次の政策変更は利上げと利下げのいずれもあり得ると述べ、失業率の上昇が持続し、インフレ率が目標に近づかなければ、ある時点で利下げげが適切になる可能性もあると語りました。
2019年と2020年の豪GDP成長率や、インフレの見通しを18年11月時点から下方修正し、豪住宅市場の減速がかなりの不確実性をもたしているとの見方をしめしています。
今回のロウ総裁の会見をうけ、利下げ観測は一段と高まると見られ、豪ドルはさらに下値を試す可能性があります。
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