ドル円は戻り売り傾向

18日の為替市場もドル円は戻り売りが強まっていて103円台に下落しています。

ファイザーがNY時間の朝方に、ワクチンの臨床試験の第3フェーズが終了し、95%に有効性が見られたと発表したことから、ドル円は買い戻しが強まり、104円台を回復する場面も見られました。
しかし、買いの流れを維持できずに、直ぐに103円台に値を戻している。104円台が重くなって来ている印象を受けます。
本日もドルインデックスは上値の重い展開が見られているが、根強いドル安期待がドル円を圧迫しているみたいで、早期に104円台に戻せないようであれば、テクニカル的には今月安値の103円台前半を再び試しそうな気配を感じます。

新型コロナウイルス感染に関してはファイザーのニュースなどワクチン開発への期待は高まっているものの、普及にはある程度時間がかかり、今冬の現状を変えるのに十分な即効性は持たないと考えられています。
足元では感染拡大が依然として続く中で、少なくとも2021年半ばまでは経済の軌道を変える見込みは薄く、来年1-3月期の景気回復も小幅に留まると予想されているみたいです。
そのような中でFRBの低金利長期化への期待は温存され、ドルは売られやすい状況が続くと市場は捉えてるみたいで、ファンダメンタルズとテクニカル両面からドル円は戻り売りを強めている印象を受けます。

円高の動きもドル円を圧迫

一部からは日米の実質金利差を指摘ていて、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利を表すインフレ連動債の利回りは、10年物で米国債が-0.85%なのに対して日本国債は-0.01%に留まっており、日本国債のほうがマイナス幅は小さく、日本の消費者物価が再びデフレに接近しており、直近9月の全国消費者物価指数(CPI)は総合指数で前年比0.0%となっている。今週の20日に10月分の数字が発表になるが、-0.4%が見込まれている。日銀の緩和余力に限界も見られる中で、デフレが円高を招いている面もあるのかもしれません。