ユーロ圏の景気が深刻化

ECBは30日に理事会を開催し、新型コロナウイルス危機への対応として、必要に応じて量的緩和を拡大する用意があると表明しました。
一方、通常の資産買取対象にジャンク債(投資不適格債)を含めるかどうかについての議論はありませんでした。

市中銀行への長期資金供給の際に適用する金利はマイナス1%に引き下げるほか、新たにパンデミック緊急長期資金供給オペ(PELTRO)を行うとし、資産買取制度は、先に導入したパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を含め、現状を維持しています。
主要政策金利はリファイナンス金利を0.00%、限界貸出金利を0.25%、中銀預金金利をマイナス0.50%にそれぞれ据え置き。

ECBは声明で「理事会は必要に応じ、そして必要とされる期間、PEPPの規模を拡大し、構成を調整する用意がある」と言明。さらに「インフレが持続的に目標に向かうことを確実にするため、必要に応じ全ての政策手段を調整する用意がある」と表明ました。

欧州内の多くの地域で新型コロナの感染防止に向け外出規制が敷かれる中、ラガルド総裁は、ECBスタッフ予想から今年のユーロ圏経済は5—12%のマイナス成長が見込まれると指摘。4月に経済活動が急速に減速したことを踏まえると、新型コロナによる影響は第2・四半期にさらに深刻化する見通しとしました。

ドル円は商い薄い中での上昇

方向感に乏しいドル円は、しばらくは106.60円を挟んだ狭いレンジ取引が続いていましたが、ポンドやユーロに対してドル売りが先行すると、ドル円にも売りが出て一時106.45円付近まで下押ししました。
ただ、月末のロンドン・フィキシングに絡んだ円売りのフローが観測されると一転107.22円まで急伸。市場関係者からは「薄商いの中、フィキシング絡みのフローに左右された」との声が聞かれました。
フィキシング通過後は徐々に値動きが細り、一旦107.00円近辺まで下落しましたが円売りは続いており現在も上昇しています