21日の市場では、19〜20日に開催されたFOMCで、景気鈍化を理由に今年の2回の会合連続で利上げの見送りを決定しました。
また、見通しでは成長やインフレ、金利予想を下方修正。本年の利上げも前回12月の2回予想から0回に引き下げました。
FRBは景気判断も成長は堅調なペースで拡大から、成長は鈍化、雇用の伸びは強かったから堅調へ、消費は引き続き強く伸びているから伸びが弱まったにそれぞれ下方修正。注目のバランスシートの解消も、5月から解消ペースを減速し、市場の予想より早く9月末に停止する計画を発表しました。
市場では12月末の停止を予想していただけに、サプライズ的な発表で下落の要因の1つとなっています。
パウエル議長は米国経済のファンダメンタルズは依然強く、労働市場も強いが、世界経済の成長減速が成長を抑制し、景気は弱まったと指摘。金利は中立水準にあるほか、現状で金利を修正する必要はないと、次回の金利修正に向けて辛抱強く様子見姿勢を維持する方針を再確認しました。
FOMCでの予想以上のハト派姿勢を受け、ドル売りが一時加速しましたが、他国の中央銀行もハト派姿勢を示しており、下値も限定的となっています。
FOMCハト派発言をうけ、ダウは上昇
FOMCでの年内利上げを見送る方針を示したことにより、株式市場への資金流入が続くとの観測が改めて高まり、金利が上昇しにくい環境が長期にわたって続くとの見方から、株価収益率の高いハイテク株などに買いがあつまり、アップルや半導体株の上昇につながりました。
ただ、FRBが市場の予想以上にハト派姿勢を強めたと受け止められたことで前日は米景気の先行き不透明感が意識されており、売りが先行しました。
FOMC後の金利低下や利ざや縮小観測につながり、銀行株への売りが続いたことも相場の重しになりました。
その後21日の市場では3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想以上に改善し、週次新規失業保険申請件数も予想を下回ったため米国経済の成長への懸念が後退し、ドル買いが再燃しました。
先行き不透明なポンド
欧州時間ではメイ首相が離脱協定案をめぐり、十分な指示が得られない一方で、EUも議会が求めている合意案の再交渉をする意思がないことを再確認し、合意なき離脱への懸念が強まりポンド売りが加速しました。
その後、メイ首相が議会の支持が得られなかった場合、離脱の脅威を回避するため代替案を模索しているとの報道をうけて、警戒感が緩和し下げ止まりました。
ロイターが入手した文章の草案では英国は6月30日までEU離脱期日を延長するよう要請していましたが、EU側は5月22日までの延期での合意するとしてそれ以降延期することはないとしています。
すでにEU側は合意なき離脱に向けての準備を進め始めていますが、交通手段をはじめ、混乱が見られています。
フランスとイギリスを結ぶ鉄道、ユーロスターでも連日遅延が発生し運営会社が、利用客に対し乗らないほしいと悲鳴をあげる事態となっています。
原因はフランス側で、フランスではよくあるいつものストですが、内容的はブレグジット後に起こりうる税関での検査実施により仕事が増えるのが困るための賃金上昇要求のストみたいです。
すでに離脱前から混乱し、今後の行方も不透明であり3ヶ月という期間での取り決めはほぼ不可能であると思います。
欧州経済や、世界経済に与える影響は決して小さくないと思われ、現在の景気停滞期から一気に下落するきっかけとなりうるため、どのように落とし所を探っていくのか、今後も注視していきたいです
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