11日のNY市場は「ベテランズデー」のため銀行休業および米債券市場が休場となります。
波乱のトルコリラについて
主要通貨の裏でここ最近、新興国通貨であるトルコリラが気になる動きを見せていました。
トルコリラ円は11月6日深夜安値で11.99円まで史上最安値を更新し、7日にはトルコ中銀の更迭が報じられ、8日にはアルバイラク財務相が辞任を表明したことでトルコの金融財政政策がさらに混乱に陥るのではないかとの懸念から週明けはリラ安進行不安が強まっていましたが、蓋を開けるとリラは急騰となり、9日夜には13円を超えるところまで大幅続伸して10日未明には13.05円まで高値を切り上げました。
リラ安を見込んでいた弱気筋が狼狽的な買い戻しを余儀なくされたこと、米ファイザー社によるワクチン治験の高評価と早期申請見込み報道からNYダウが史上最高値更新へと急伸し、ドル円も連動して103円台序盤から105円台半ばまで急騰したことで、対ドルでのトルコリラも急伸しており、9日夜にかけてのドル全面安の継続と南アランドやメキシコペソ等の新興国通貨高もリラ反騰となっています。
トルコリラは今週に入り、中銀総裁更迭や財務相交代を受けての買い戻しが先行していましたが、本日のエルドアン大統領の新経済成長戦略発表を受けて買い戻しが加速した感じです。
エルドアン大統領は「新たな成長戦略が物価や金融・財政面での安定性に基づく」と述べ、「枯渇した外貨準備と通貨への信頼を再構築する必要がある」と表明。
中銀を支持する姿勢も示しました。
この発言を受けてドルリラは一時7.7926リラ、リラ円は13.55円までリラ高に振れています。
11月19日にはトルコ中銀の金融政策決定会合が予定されています。
市場は現行の10.25%から12%程度への利上げを予想していますが、新中銀総裁が期待に応えられるのかどうかもエルドアン政権によるリラ防衛姿勢を評価する上で重要となりそうです。
また金融財政当局のトップ交代により新たな規制や逆に緩和等の制度変更、市場へのプレッシャー等が変わるのかが最安値まで落ちてしまったトルコリラが、今後持ち直すかどうか気になるところではあります。