15日の外為市場では引き続きフロリダ、テキサス州でウイルス感染が拡大する中、年末までにウイルスワクチンが実用化されるとの期待が強まりさらに、ゴールドマンサックスの好決算や予想を上回った米国経済指標が好感されリスク選好の動きが優勢となりました。
本日注目されていた米連邦準備制度理事会(FRB)米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表では、経済活動はほぼ全ての地区で回復した」と報告しています。内容は、
・経済活動はほぼ全ての地区で回復。
・活動は上向くも、感染拡大前の水準をなお大きく下回る。
・見通しは依然として非常に不透明。
・融資への需要は横ばい。
・雇用は差し引きで増加した。
最近の良好な経済指標の結果にもFRB高官は懐疑的見方は崩れていません。
ブレイナード理事は、米国経済が4月に底入れ後、反動したがその回復ペースが鈍化しつつあるとし、成長を押し上げるために追加で積極的な措置が必要だと訴えています。
5月、6月の消費の強さはいくつかの州が時期尚早に経済活動を再開した結果だと指摘。それらの州でウイルス感染が再燃しているということは、今後、その景気反動の勢いが後退することを意味すると説明しています。
2番底入りも警告。通常はタカ派で知られるハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も異例な苦痛をともなう長期にわたる景気減速を警告しました。
米国の7月NY連銀製造業景気指数が2018年11月以来で最高、6月鉱工業生産が1959年以降61年ぶり最大の伸びを記録するなど良好な結果を受けて米国債相場は下落。
利回りが上昇しているがドルはFRBの追加緩和を織り込む売りが続きました。
他にも日銀は金融政策決定会合で見通しを引き下げたが大規模緩和継続を決定。黒田総裁は「日本経済は底を打った」との見解ですが、ウイルス感染再燃などの影響で先行き不透明感が極めて強く、回復ペースは緩やかになるとの見方を示しています。