14日の外為市場では米中の小売売上高が予想を下回ったため世界経済の回復鈍化懸念が広がりリスク回避の動きが優勢となりました。
今週実施された過去最大規模の入札に加え、最近発表されたインフレ指標の上昇や回復期待に米国債相場は大きく反落。
利回りも急伸しておりドルを支えています。しばらくは米国債相場動向を睨む展開が続きそうです。
米・中経済の回復鈍化
中国7月小売売上はプラス予想に反して5カ月連続のマイナスに落ち込みました。
米7月小売売上高も前月比+1.2%と、5月に過去最大を記録したのち、回復は鈍化傾向にあります。
パンデミックの消費に与える影響が依然深刻で、回復は容易ではないことが証明されつつあります。
ただ、米国小売りは規模的にはパンデミック前の水準を回復、正常な規模に戻っていますが、今後このペースを維持できるかが課題となりそうです。
米中の関係回復になるか
今週末には米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と、中国の副首相が第1段階貿易協定の進捗状況を見直す会合が控えています。
中国政府はトランプ大統領が使用禁止を発表したTikTokやWeChatなども交渉材料として挙げる模様ですが、米中両国が領事館閉鎖するなど対立が深まる中、貿易交渉は難航しそうです。
トランプ大統領は現在の状況で第2段階の協定を協議する意向はないと表明しており、ドルにとって懸念材料となっています。