株高からの円安

感染第2波の拡大、米追加経済対策の交渉行き詰まり、そして、米中対立などの悪材料にもかかわらず、株高が維持されており、ネガティブ要因を市場はやり過ごしている感もあり、その株高がドル安を誘発しているとの指摘も聞かれます。

株高は回復に向けた投資家のセンチメントが維持されている証拠でもあり、リスクマネーが米国から海外に向かうとの期待もあるのかもしれません。
一方、株高はリスク選好の円安も誘発することから、ドル円は底堅い動きを見せているようです。
米国債利回りも上昇しており、イールドカーブのスティープ化も見られる中で、ドル円にとっては追い風が吹いている状況。ただ一方で、米株式市場の高値警戒感もあり、継続性には疑問もあるようです。

ユーロドル、ポンドドルは上値が重い

ユーロドルは買いの流れが続いており、きょうは一時1.1860ドル近辺まで上昇しました。
引き続きドル安がユーロドルを押し上げている格好だが、過熱感も高まり8月に入って調整の動きも見せていた。一時1.17ドル台前半まで下落し、21日線を試すかにも思われたが、しっかりと21日線の上を維持しており、上向きの流れを続けている。目先は直近高値の1.19ドル台前半の水準が上値メドとして意識される。

投資家のリスク許容度改善による株高がドル安を誘発し、それがユーロドルを押し上げてます。
実際、ユーロと株式市場の正の相関は2013年以来の強さを示していて、一方で国債の利回りとユーロドルの相関はほとんど見られていないみたいです。

ポンドドルも買い戻しが優勢となっており、1.30ドル台半ばまで戻している。きのうは1.30ドル割れを試す動きも見られたが、1.30ドルちょうど付近の買い圧力は依然として強いようです。

チャート的にはもう一段の上値も期待できそうな流れではあるが、市場からはネガティブな声も多く、感染第2波による再封鎖のリスクとEUとの貿易交渉への不透明感、そして、英中銀による追加緩和期待など、ネガティブな材料をあげれば枚挙にいとまがない状況です。
前日の第2四半期の英GDPは前期比で20.4%の急落でしたが、ポンドの反応は限定的でした。
ただ、楽観的になる理由は見当たらないとの声も多く、ポンド下落を見込む声は少なくないようです。