ドル円はレンジを下抜け

27日の為替市場はドル安が続いており、ドル円も下値模索が続いています。
105円台前半まで下落しており、大きな心理的節目である105円を伺う動きが見られました。
105円ちょうど付近には日本の機関投資家やオプション絡みの買いが相当程度観測されており、買い圧力も強そうですが、買戻しの気配も今のところ見られない様子です。

リスクオンのドル売りからリスクオフのドル売りへ

これまではリスク選好のドル売りでしたが、ここに来て、米景気の先行き不安による素直なドル売りに変化しそうな気配も見られます。
米国内では感染第2波の拡大が一向に収束の気配を見せない中で、再封鎖などへの警戒感も高まっています。
新型ウイルス感染による世界の死者数の約4分の1が米国に集まっており、市場が期待していたほどの早期回復は見込めないのではとの不安も出ている模様。
米中対立もエスカレートの動きを見せる中で、為替市場はドル売りを活発化させているようです。

ドル円は107円台での膠着相場を続けていましたが、先週の米新規失業保険申請件数の発表以降、ネガティブな雰囲気が強まり、ドル円は急速に売りが強まっています。

ドル安の流れが加速する中でユーロドルは買いが強まっており、本日は1.1780ドル近辺まで一時上昇しました。
米国での感染第2波の拡大が一向に収束を見せない中で、欧州はその傾向が見られず、欧州と米国での景気回復のスピートの差がユーロドルを押し上げている面もあるのかもしれません。

EU首脳は先週、復興基金を合意しましたが、理想的とまでは行かないものの、市場はネガティブな反応を見せておらず、欧州経済は米国よりも感染の影響を受けにくいとの考えからユーロ買いに繋がっていると思われます。

一方で過熱感は否めず、いつ調整が入ってもおかしくはない状況ですが、勢いが強いため、安易に売りポジションを取るのは危険かもしれません。