終わりの見えない混乱

週明けの為替市場では、中国の新型肺炎の感染拡大懸念が根強く、投資家のリスクオフ姿勢が維持されており、109円近辺で上値が重い状況が続いています
過去に流行したSARSの感染は、2002年11月16日の中国広東省の症例に始まり、32の地域と国にわたり8098人の症例が報告された後、2003年7月5日に世界保健機関(WHO)によって終息宣言が出されました。
当時は、ITバブル崩壊がドル円と株価下落の主要な要因でしたが、ドル円は、2002年12月の高値125.73円から2003年5月の安値115.10円まで10.63円、約8%下落した。日経平均株価は、2002年12月の高値9320円から2003年4月の安値7603円まで1717円、約18%下落しています。

今回の新型ウイルスの経済における影響を、SARSの時とよく比較されますが、当時と今とでは中国の世界経済における影響が違うのと、感染力もSARSの時より強い等、比較対象とするには難しく、投資家の間でも警戒感が続きそうです
中国の企業でも、春節の休みを延長するなど経済に影響が出てきているため上海市場を筆頭にアジアの株式市場、特に繋がりのあるオーストラリアやニュージーランドの株式市場でも警戒する動きが続きそうです

ニューヨーク市場の動向

明日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)では、昨年パウエルFRB議長が保険的利下げの理由としていた米中貿易戦争を巡る不確実性は払拭されたものの、新型肺炎を巡る不確実性が台頭していることで、保険的利下げの再開を示唆する発言に要警戒となりそうです。
 米上院での弾劾裁判は、証人喚問を巡る共和党と民主党の駆け引きが続いており、ボルトン前大統領補佐官が近く出版予定の著作で「トランプ米大統領がバイデン前副大統領と息子らへの調査がウクライナへの軍事支援の条件」と語ったと暴露する、との報道もありこちらも要警戒となりそうです。

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