19日のマーケットでは、米下院によるトランプ大統領の弾劾訴追決議の可決でやや失速しましたが、日銀の大規模金融緩和政策の維持で円買いは後退しています。
トランプ大統領の弾劾裁判問題では民主党が過半数を占める米下院で可決されました。
上院での裁判は2020年1月に行われる見込みですが、上院100人のうち53対47で共和党が多数を占める状況下では、大統領を罷免するに足る3分の2に当たる67人以上が賛成に回る可能性は極めて低いとみられています。
過去には弾劾訴追されたジョンソン大統領、クリントン大統領も上院での罷免は免れていおり、ドル円の動きに関しても下値は限定的と見られています
日銀は緩和方向維持
日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後の会見で、当面の金融政策運営について、海外リスクが一頃に比べて若干低下したのは事実だが、依然としてリスクは高い水準にあるとして、引き続き緩和方向を意識したスタンスを維持する必要があるとの認識を示しました。
黒田総裁はマイナス金利深掘りの可能性について問われると「金融政策として必要な事態になればあり得る」と従来のスタンスを繰り返しつつ、「効果と副作用は常に点検していく必要がある」と語りました。
コストへの配慮は「今後さらに必要性が高まっていく可能性がある」と警戒感を示した形です。
欧米の主要中央銀行が緩和へと舵を切る中、リーマンショックからずっと緩和方向を続けてきた日銀ですが、今年も出口議論どころか、10月の決定会合では長期金利がさらに低水準で続く事態もあり得るとして、「20年春まで」としていた低金利維持の時間軸をフォワードガイダンスから削除。出口はさらに遠くなってしまいました。
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