日米両首脳はニューヨークで会談し、貿易協定の合意文書に署名しました。
TPPの水準で農産物市場を解放する一方、米国にとっては対日貿易赤字の最大の要因である自動車については持ち越しされることになりました。
関税撤廃に向けた具体的なスケジュールには明記されておらず、踏み込んだ話には至らなかった印象もあります。もともとマーケットは自動車や関連部品の関税撤廃に対して、強い警戒感はなく、市場が最も警戒していた為替条項導入は回避できたため、相場への影響は限定的でした。
自動車や関連部品の関税撤廃は先送りとなったものの、今後日本に対して米国が強硬手段を取るとは考えにくく、今回の農産品関税の引き下げは米国にとっては十分な結果となった感じもあります。
また、トランプ大統領は来年の大統領選に向けて実績を上げることに必死で、対日よりも対中に力を入れたいところなので、日本に対して今以上に強く求める必要は低いです。
自動車や自動車関連部品銘柄の株価は堅調で、為替の円安基調による影響もありますが、今回の日米協定によって市場全体に安心感が出たことも要因になっています。
トランプ大統領の弾劾への懸念後退
26日のニューヨーク市場では、トランプ大統領の弾劾への懸念は後退したものの、依然脅威はくすぶっており慎重な展開が継続しています。
トランプ大統領が弾劾される確率は50.51%、任期中に離職する確率は20%となっています。
トランプ大統領の弾劾には超党派の支持が必要となりますが、現状では弾劾の論拠は低く、政治的な動きとみられています。
しかし、弾劾調査は2020年の大統領選挙まで継続する可能性が強く、トランプ大統領の経済政策を進める上での障害となり、年初からペースが鈍化している経済成長に影響を与える可能性が懸念されています。
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