29日のニューヨーク市場では引き続き米中貿易問題が上値を抑えており、リスク回避の売りが出てもおかしくない状況にはなっています。
米債券利回りも一段と低下し、米3ヶ月債と、10年債利回り格差は再び逆転。2007年9月以来で最大となりました。
米国のポンペイオ国務長官はメディアのインタビューで
米国は中国と貿易協定を結ぶかもしれないし、結ばないかもしれないと発言。
米国は知的財産侵害を問題視し、中国のファーウェイを米国市場から排除しています。
一方の中国側は報復措置としてレアアースを対抗手段にする準備を進める方針を表明。
レアアースは液晶テレビ、コンピュータ、ハイブリッド車になくてはならない原材料であり、米国も追加関税の対象には入っていない項目です。
中国国内では他にもアップルへの報復措置を求める声が一部で広がっており、もしiPhoneの中国での販売を禁止した場合は、アップルの2020年度の通期決算は26%の減益になりかねないと警戒しています。
ヨーロッパは今後混乱が続きそうです
混迷の中のイギリスは、EUからの離脱予定日10月31日が実現するかどうかも怪しくなってきました。
メイ首相は自身の修正案を何度も突き返され、最終手段の再度の国民投票を容認して与党・野党議員の両者から大反発をくらい、とうとう自身の仕事を全うできず辞任することとなりました。
今後は保守党の党首選が6月に入ってから行われるとみられており、最有力候補のボリス・ジョンソンもと外相やドミニック・ラーブ元離脱担当相は、10月31日に必ず離脱する。EUと離脱条件についての合意がなくても離脱すると強気の姿勢です。
そんな混乱しているイギリスを横に、EU内でも欧州委員会の要職をめぐり、ドイツとフランスが対立しています。
これに加え、年後半には欧州理事会のトゥスク大統領や欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁、モゲリーニ外交安全保障上級代表も任期満了となる予定で、EU内も安定までには程遠い印象です。
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