9日のニューヨーク外国為替市場でのドル円の動きは、トランプ大統領が「インフレの問題はない。FRBがやっていることは好きではない」との発言を受け、112、8円あたりまで弱含みし推移しました
ポンドは英国のブレグジットを巡って、来週15日までに離脱条件で合意が得られる可能性があるとの報道を受けて上昇しました。
10日の東京市場は、ゴトー日の仲値不足観測でドル買いで推移、日経平均株価も、米10年債利回りや、上海総合指数が前日比プラス圏で堅調に推移していることから、円は売られています。
米国長期金利利回りが上昇基調にある中での米国債入札への警戒感や、米中戦争から米中通貨安戦争拡大懸念の材料もあり、上値を抑える形になるかもしれません。
米国債に関して、最大の保有機関であるFRBは今月から再投資停止を500億ドルに増やしており、2番目の保有国である中国は米国債を売却し始めており、3番目の保有国の日本の投資家は、為替ヘッジをする際の”クロスカレンシースワップ取引”(異なる通貨の変動金利の交換での調達コスト)の金利差が拡大していることで購入しづらくなっています。
もし、米国債入札が不調に終わった場合、ドル売りの要因となり、10月は投資信託の決算売りで軟調に推移する傾向にあるニューヨーク株式市場の売り圧力を強めることで、リスク回避の円買いの要因となりかねません。
アメリカは中国を為替操作国として認定する可能性あり
来週15日前後に米財務省が議会に提出する為替政策報告書では、中国が為替操作国と認定される可能性があり、米中貿易戦争から米中通貨安戦争に拡大する可能性があると報道されています。
為替操作国については日本やドイツ、韓国、スイスの4カ国と、中国、台湾が監視リスト入りしています。
為替操作国に認定されると、アメリカとの二国間協議による通貨切り上げ要求や、必要に応じて特定の製品が関税制裁の対象になります。
1980年代から1990年代にかけて、中国や台湾、韓国が為替操作国に認定されていましたが、1994年を最後に為替操作国として認定された国はないため、今回の認定結果がどのように市場に影響を及ぼすのか注意していきたいです。
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