2020年米大統領

3日に始まった米大統領選で市場はリスク選好の雰囲気を強めており、為替市場はドル売りの動きが強まっています。
米株式市場でダウ平均が一時600ドル超続伸するなど株高が進んでいることから、円安の動きも見られ、104円台後半まで戻す場面もみられましたが、前日同様に上値を抑えられ105円を試す雰囲気までは依然として見られません。

米大統領選投開票日

全米の世論調査でバイデン候補が一貫してリードを保っていることから、選挙後の混乱もなくバイデン候補の勝利を織り込む動きが活発化しているとの声も聞かれます。
ただ、米大統領選に重要な激戦州ではトランプ大統領が当選する可能性も残されており、情勢はなお拮抗しています。
市場は議会選挙にも注目しており、下院は民主党の過半数がほぼ確実な勢いですが、上院でも民主党が過半数を占める可能性も高まっています。
ホワイトハウスも議会も民主党となれば、大規模な財政拡大がより迅速に決まるとの見方から、市場の一部では期待を高めているようです。

米国債利回りが上昇

このところ、米国債の利回りの動きにドル円は相関性の薄い動きを見せています。
直近の利回り上昇は、財政赤字とインフレを警戒しているとの指摘も聞かれています。
今週はFOMCがありますが、現段階でFRBが早期に緩和策解除へ向かうとは考えにくく、FRBは、「経済の行方を決めるのはウイルス」との言及を再三繰り返しており、インフレ目標の基準も緩めています。
米国で感染第3波が拡大する中で、追加緩和策が期待されており、今週のFOMCで何らかのヒントが示されるか注目されます。
むしろ、悪い利回り上昇を食い止める策に動く可能性も考えられており、そのような状況下では、利回り上昇がドル円上昇に結びかないのかもしれません。